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アトラクションデイズ

  なんでとか、そんなの関係無い。ただ君が、笑うだけだから。
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2009.02.28  <<22:13



朝が苦手、たまに猟奇的、俺よりも仕事、だけど自分より俺。
甘いのが好きで、照れると顔は真っ赤になるのに素直じゃなくて
だけど溜まらなく綺麗で、溜まらなく可愛くて
そんな、そんな俺の夜。


俺はその夜に恋をする


バサバサと紙をめくる音がする。それから、バタバタと走る音。
ナイトは自分の机に突っ伏したまま寝たふりをして、その音をただ聞いていた。
思うのは、頑張ってんなー、とそんな事で。

「・・・全く・・何で寝てるんですかこの人は・・」

足音が近くで止まって、呆れたような声が溜息と共に頭上から降ってくる。
ナイトは寝たふりをし続けた。
足音は一旦遠ざかってまた戻ってくる。そして、肩に何かが掛かる。
それは多分、毛布か何かだろう。

「風邪でも引いたらどうするんですか・・」

小さな声が聞こえて、ナイトはいてもたってもいられなくなって
勢い良く顔を上げて、後ろに立って居るであろう声の持ち主に、ノーチェ!、と叫びながら抱きついた。

「わッ?!」

ノーチェは驚きの声を上げる。
そしてバランスを崩し、ナイトに倒れかかるような形で抱きしめられる。
暫く何が起こったか分からず呆然としていたが、慌ててナイトから離れて

「・・・った・・何、するんですかっ・・!?」

・・と、顔を赤らめつつも叫んだ。
ナイトは離れてしまったノーチェに、残念そうな顔を向けつつも
抱きついた拍子に落ちた毛布と自分の眼鏡を拾い上げた。

「えー・・だって、ノーチェがあんまり可愛いからぁ~」

ふざけた口調で言うナイトに、ノーチェは照れなのか怒りなのか分からないが
ともかく顔を赤くして、ナイトに一発蹴りをお見舞いし、

「馬鹿な事やってないで働いて下さい!」

そう、大声で叫んだ。
そんなノーチェにも溜まらない愛しさを感じてしまうナイトは、蹴られた部分を押さえながらも
はーい・・、と返事を返したのだった。


その、長くて綺麗な銀色の髪に触れたいだとか、細い肩を抱きしめたいだとか
その声をいつまでも聞いていたいとか、その綺麗な顔をいろんな表情にしてみたいとか
・・そんな風に思い始めたのは、初めてノーチェに会ったあの日からだった。

この世界の統べている偉大な魔王様と拾いお城の中で二人きり。
年も取らなければ何も変わらない、時計の針さえ堂々巡りに感じるその空間。
お互いそんなに顔も合わせずにお互いそれぞれの部屋に籠もりっきり。
書類と苦情に囲まれる日々。
そういえばいつ言葉を発しただろうか、とふと思い立っては一人で叫んで自嘲に満ちて。
・・そんな生活。それは魔王様も変わらなかっただろう。
だけど、そんな生活を変えたのがノーチェだった。
ノーチェはある日突然連れられてきて、その長い銀色の髪を揺らしながら
暗い廊下に灯りを灯し、魔王様の髪をポニーテールにして、部屋の掃除と模様替えをした。
窓を全開にして、庭の花をつんできて、ケーキを焼いて、笑顔を、振りまいて
例えるなら太陽、ノーチェはあっという間に目の前の世界を明るくした。
それから何事に対しても無感情で無表情で無口な魔王様は
気まぐれに家出やら引きこもりやらを繰り返し良くつられて笑うようにもなり
俺はというと落ちすぎというくらいなぐうたらになってしまい
だけれどノーチェは何も変わらず、変わっていることと言えば見る度に愛らしく綺麗になっていくというだけで
ノーチェはもうこの城と世界には必要不可欠な存在になった。
それは誰でもそうなのだけれど。

きらきら輝いてるのはノーチェの方なのに俺の髪を見て、太陽みたい、と微笑んだ。
その時何故か涙が止まらなくて、多分こいつの為なら何でも出来るんだろう、と思った。


「ノーチェっ」

部屋を箒で掃いているノーチェをナイトは後ろから抱きしめる。
ノーチェはいきなりの事で、わ、と小さく声を上げる。

「なん・・ですか?」

びっくりすんじゃねえか、とナイトを見るノーチェの目が言っていた。
普段誰に対しても敬語を使っているノーチェだが、こういう時のノーチェオーラやら目やらは怖い。
まあいつも怖いけど、とナイトは内心苦笑を零す。

「んー?補給中」

ナイトの言葉を軽く無視して、掃除出来ないので離して下さい、と返される。
しかしナイトはそれも無視して、ノーチェから箒を取り上げる。

「ちょっと、なにするんですかっ」

ノーチェの手からナイトの手へと渡った箒は、ナイトの手を離れて床へと落ちていった。
からん、と乾いた音を立てて転がった箒を拾おうと藻掻くが、ナイトに邪魔をされて拾えない。
ノーチェは後ろのナイトを睨んで、離せ、という視線を送る。

「あー・・てかさぁ」

ナイトはくるりとノーチェの身体を回転させて、向かうような形にする。
そしてノーチェをその後ろの壁に押しつける。

「・・・ちょ、ナイト?なに・・?」

ノーチェの顔色が変わる。それは、これはやばい、といったような顔だった。
ナイトは、ごめんな?、と小さく謝ってノーチェのその白い肌に栄える赤い唇に自らの同じモノを押し当てた。

「っ!?」

その急な出来事に、目を丸くするノーチェ。そして何とかそれから逃れようと身じろぎする。
しかしナイトに両手を押さえつけられていてそれは適わない。

「っ・・ッ・・」

息苦しさと気恥ずかしさに頬を染めるノーチェ。
それはもう可愛らしくナイトからは見え、ナイトはノーチェの口を舌で強引に押し開けて
中にそのままその舌を忍び込ませた。

「っ・・?!っ・・んッ」

暴れるノーチェを押さえつけて、ナイトは更に深く深く舌を入れ込み、ノーチェの舌を捕まえては
絡めて、もて遊んだ。
ノーチェは抵抗する力も出ないのか、息をするのが精一杯なのか、身じろぎもしなかった。
ナイトは暫くそれを続けてノーチェの瞳にじわりと涙が滲んできて、
お互いの口の中がぐちゃぐちゃになった頃、ようやく口を離した。

「・・っは・・ッ・・ぁ、・・っ」

無くなった酸素を取りもどすように、ノーチェは口を大きく開けて浅い呼吸を繰り返した。
ナイトはノーチェの口の端から零れている、どちらのともつかない唾液を指で拭い、
ノーチェの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

「ごめんね」

謝りながら、自分の馬鹿さを呪った。
なんでこんな事でしか関係を繋ぎ止めておけないって思ってるのか、
本当に馬鹿だと自分を罵る。
ノーチェは頬を染めたまま、震える指先をナイトの頬に当てた。

「そう・・・、じ・・ッできないじゃ・・ないですか・・っ」

掠れた声で呟いて、ノーチェは恐る恐るナイトの首に両手を回した。
それにナイトが驚き、目を丸くする。

「・・・・不安、なんですか・・?」

耳元、小さな声でノーチェが呟いた。
それは酷く沈んでいて、自信なさげな声だった。

「んー・・ちょっと、ね。まあ俺が馬鹿なだけだから」

ごめんねー、何て冗談っぽく返す。
そんなナイトにノーチェは小さく溜息を付きながら

「ほんっっと、馬鹿ですね」

ノーチェはそう吐き捨てると、さっとナイトから離れて床に転がった箒を拾って
呆然と立っているナイトを振り返って、

「ちゃんと、好きですよ?」

綺麗な、微笑みを零してそう言った。
え、とナイトが声を零した頃にはもうノーチェは部屋を出て行ってしまっていた。
ぱたんと静かに閉められた部屋のドアを暫く見つめた後ナイトは、ははははは、と力無く笑った。

「・・本当だ、俺って超馬鹿」


朝が苦手、たまに猟奇的、俺よりも仕事、だけど自分より俺。
素直じゃないし、いつもツンツン仕様だけど、
いつも俺の欲しい言葉をくれて、あっという間に独りよがりな俺の不安を拭い去って
あっという間に目の前の世界を明るくする。
溜まらなく綺麗で、溜まらなく可愛くて、溜まらなく愛おしい、

そんな、そんな俺の夜は
今日も銀色の髪を揺らしながら、笑顔を振りまくのだった。


.......end
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No.6 俺はその夜に恋をする / 小説 / Comment*0 // PageTop▲

2009.02.26  <<21:01



暑いのか、寒いのか 良く分からなくなってきた。
ただ一つだけ言えるのは、喉が乾いているという事。
何だかもう倒れそうだ・・倒れそ・・・あ、倒れちゃった。
この固いコンクリートも、氷ってしまいそうに冷たいような気もするし焼けてしまいそうに熱い気もする。
死にかけって、こういう事を言うんだろうか。
夜の真っ暗な空がだんだん狭くなってくる。
そういえば、星って全然見えないんだな。
星が見えないのは、町の灯りが眩しいせいだってどこかで聞いた事がある。
でも何でだろう 全然明るくないんだね、僕の周りは。
こんな真っ暗な所で死んじゃうんだろうな、本当に。

ああ・・やっぱり寒いや


「おいあんた」


でも、眼を閉じようとした瞬間、不意に声が降ってきた。
それは明るい、光だった。


吸血鬼は苺を食べる。


夏は苦手。熱くて溶けそうだから。
いや、ていうか溶けるから。
だけどもカーテン越しの太陽は、キラキラ光っててそれはそれは綺麗で。
その向こう側で楽しそうに笑ってる君はもっともっと綺麗で。
ふっ、と振り返って手を振って笑う、本当はそんな君の隣を歩きたかった。
それはそれは、溜まらなく、歩いていたかった。
だけど僕はその叶わない願いを抱きながら、そっとカーテンから離れる。

「いってらっしゃい、音音」

小さな声で呟いて、小さく小さく笑うしかない。
だけれどこれも幸せ、と呼べるくらいの感情で、この距離だって愛おしくて
僕は眼を細めて、また暗い部屋で朝昼を過ごす。
その酷い眠気に襲われて。


あの日、死にかけていた僕を拾ってくれたのは
偶然通りかかった音音だった。
音音が声を掛けてくれなかったら、恐らく僕は今頃死んでいただろう。
その酷い喉の渇きに飢え苦しみながら。

こうなってしまったのは、音音に会う3日ほど前の事。
僕は所謂、吸血鬼、と呼ばれるこの世界では伝説上の生き物で
もちろんこの人間の世界とはまた別の世界で生きていた。
だけどある日僕は、その世界での禁忌を犯してしまった。
・・それは、同じ種属・・そうつまり吸血鬼の血を吸ってしまうこと。僕はそれをしてしまった。
正しくは、吸わされた、といった方がいいかもしれない。
まあともかくその所為で、僕はこの人間界に堕とされてしまった。
この世界は美しい世界だった・・けど、元の世界で食べていたような生き物は見当たらない。
昼間は暑くて溶けてしまいそうだし、花は一本も見つからなかった。
太陽の光やら人混みの雑音やらで体力が底を尽きた僕はあの日倒れてしまったという訳だ。

音音は、そんな僕をこの家に運んできてくれて
最初は僕も自分がそんな生き物であるという事を言いたくはなかったのだが
質問攻めにあって、つい話してしまうと
どこからともなく薔薇の花やらを大量に持ってきてくれたりして
そして今も、僕をこの部屋に置いてくれていて。

僕は日の光の下には出られないし、夜行性だし
やっぱり薔薇の花だけじゃそんなに体力も持たないから
ただ音音の為に掃除やら料理やらをする事しかできなくて、
・・それでもいていいって言ってくれるから、きっと僕は自惚れているんだろうけど・・。

でもこの暖かい場所は大好きで・・
・・・音音がいないこの部屋は、少し寒いような気もするけど。


「・・・わ、もうこんな時間・・音音帰って来ちゃうね・・」

ソファにもたれて寝ていた真冬は、目を擦りながら起き上がる。
昼間は、酷い眠気に襲われてついつい寝てしまう。
本当は音音と同じ時間に、同じだけ寝てみたいのに。
ああ、でもやっぱり本当は、音音と同じ空の下を歩きたい。
あの明るい太陽を音音のように、気持ちが良い、って微笑んで浴びてみたい。
だけどそれは叶わない、願い。

「今日は何作ろうかなー」

真冬は呟きながらテーブルの上の、料理の本を開く。
これは何故か音音の家に大量に置いてあった料理本の中の一冊だ。
ここに来てから随分と料理にも詳しくなったし、最初の頃に比べて上手に出来るようになった。
後それから、この世界の字もようやく大体は読めるようになった。
漢字はまだ簡単なのしか読めないが。

「わ・・これ、何だろう?はる、の、いち、ご、の、しょー・・と・・けー・・き?」

料理の本の中の一ページ、そこには真っ白な三角の形の何かの上に、
キラキラ光る赤い苺が載っている、料理の写真が載っていた。
それは今までに見たことのない料理で、とても綺麗だった。

「わー・・・美味しそう」

ぽつりと呟いて、はっとなる。
今までこの世界のどの料理も、美味しそう、だなんて感じたことは無かったのに。
だからいつも作る料理は一人前。自分は音音の買ってきた薔薇を食べていた。
真冬は立ち上がった。

「これ・・今日これにしてみよう・・」

もしかしたら、自分も食べれるかも知れないと思った。
音音と同じモノを食べれるかもしれない、と。
そう思うと自然と笑みが零れてくる。真冬は一人で、えへへ、と笑ったのだった。


「・・・・・・・・・・・・・なんでケーキ・・・?」

テーブルの上に並べられた、綺麗に出来て甘い香りを放っている苺のケーキを見て音音は
誰か誕生日だっけ、と呟く。
何だか呆然としている音音を見て真冬は悲しげな顔をする。

「ご、ごめん!キライだった・・?あ、それともあんまり上手じゃなかったかな・・・」

どうしようどうしよう、と困り始めた真冬に音音ははっとなって

「あ、いやそうじゃなくて・・・ケーキってさ、普通デザートじゃないかな・・?」

ていうかこの苺はどこから・・?、と柔らかく指摘する音音に、え、と真冬は声を零す。
デザート、食後のデザート。つまりそれは主食じゃないという事で。
だからそれはご飯とは合わないという事で。

「ご・・・ごめんなさい・・美味しそうで・・つい」

真冬は申し訳なさいっぱいに謝った。
ああ、どうしてこうなんだろう。迷惑ばっかりかけてる。
真冬は何だか泣きたい気持ちになった。だけど音音は、真冬の頭を撫でてくる。
そして小さく笑って。

「ま、いっか。俺ケーキ好きだし」


そう言ってまた僕を助けてくれるのでした。


ケーキの上の、苺とやらは美味しくて初めてこの人間界のものを食べれて
なんだか嬉しくてつい泣いてしまった。
そしたら音音はまた僕の頭を撫でて、春になったらいっぱい持ってきてやるって言ってくれた。

その時こう、思ったんだ。

ああ
やっぱりここは 暖かいな


.....fin
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No.5 吸血鬼は苺を食べる。 / 小説 / Comment*0 // PageTop▲

2009.02.25  <<14:43


それでもそんな君が好き、だから


そ ん な 君 が 好 き だ か ら



全く君ってば、帰ってきてすぐ靴を脱ぎ捨てて鞄を投げ散らかして服も投げ散らかして
すれ違った瞬間に、ただいまと行ってきますを同時に言って、またどっかに出かけて行っちゃって
僕は、小学生みたい、と、やれやれ、と笑いながら靴を並べて鞄やら服を拾って歩いて
いつからお母さんになったんだっけ、と不意に考え込んで
君が出ていった後の扉を見て、また不意に淋しくなったりしちゃってさ。
だけど多分君はこの淋しさ何て気付いてないんだろうな、って思ったら
苛立つというより呆れてしまって、ははは、と独りでまた力無く笑ってさ。
それでもそんな君が好きだ、って公衆の面前で叫べる自信がある僕は多分相当おかしのかな?
・・なんて言ったら多分君は怒るんだろうけど。

ああまた君ってば、やっと帰って来たと思ったら
ご飯作りかけてるのに、腹減ったー早くしろー、って叫びだしてさ。
やっと二人でゆっくり話せると思ったら、一方的に何処の誰とも知らない友達の話を始めてさ。
それでも僕はうんうん、って相槌を入れてころころ変わる君の表情を眺めていた。
人の事を話す時、どうしてこんなに生き生きした表情なんだろうって君の話なんかそっちのけで考えてた。
もしかしたら、何処の誰とも知らないその友達に僕の話をする時も
こんなに楽しそうに嬉しそうに話してるのかな、何て
少し自惚れて夢見るくらいはいいよね?
そしたらこのつまんない話も楽しく聞けるような気がするよ。
なんていったら多分怒るよね・・。

それでもそんな君が好き、だから
胸が張り裂けそうな淋しさも 溺れてしまいそうな愛しさだって
きっと一人でも我慢できるし、乗り越えられるって思うよ

君の寝顔が隣にある、
そんな事実が続く限り

冷たい水が流れてて、それに手を付けて食器を洗う。
指先が氷るように冷たいけどもう、慣れちゃったかな。
君が不意に横にやってきて、何も言わずにジッと僕の手を見つめる
なに?、って思ったけどあえて何も言わずに食器を洗い続けた。
そしたら君が僕の服の端を掴んで小さな声で、ごめんな、って。
今度こそ本当に、何が?、って言って何故か無性に可笑しくて笑ってしまった。


「だって 君が好きだから、」


こんな事くらい平気だし この胸の痛みに比べたら、全然たいしたことないし。
思ったけど言わずにいたから、だから何も思う必要はない。
君は君のままでいいから、僕は君のママでもいいし。

だけど

「何だよ俺だって好きだよ」

真っ直ぐなその瞳が、
・・ああ、やっぱり
そんな君が、好きだから。

,,,,,,end
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No.4 そんな君が好きだから / 小説 / Comment*0 // PageTop▲

2009.02.24  <<19:08




ある日先生が泣いていた
静かに、それでも綺麗に泣いていた
だから俺は思わず、先生を引き寄せて抱きしめてしまった

止める事ができなかった俺を
それでもあなたは恨まなかった

だから先生、
もう、 さよならします


その世界に取り残されるのなら


先生、先生はいつも微笑んでいて、その色素の薄い髪を揺らしながら、
同じ人間とは思えないほど美しい言葉を並べて俺と喋っていましたよね
俺はその時間が大好きで、先生が俺の名前を呼ぶ度に、俺の方を見る度に
心臓が張り裂けそうなくらい嬉しくて、泣きたくなっていたの、知ってましたか

先生、・・多分先生は知らないんでしょうね
俺がいつも先生のこと考えていた事とか、その細い肩を抱きしめたいとどんなに願っていただとか
多分気付いてないんでしょうね
だから俺はいつも苛立っていたのと同時に、先生とあんなに近くで喋れたんでしょうね

だけど先生、あの日俺にとって日だまりのように暖かく愛おしい世界は
すぐに冷たくなって消えてしまいました
それも俺の所為なんですけども

先生は相変わらず綺麗ですね
俺ばかり汚れていって、俺ばかり取り残されて、
それに果てない苛立ちと絶望とを感じて
俺ばかり一人で泣いて、俺ばかり一人で叫んで、

『・・ごめん、先生』

先生
どうぞ笑ってよ

おかしいでしょ、滑稽でしょ、
俺自身が笑いたいくらいだよ

『先生・・ごめんね・・・』

でも、ね
涙が出るんだよ、どうしようもないくらい胸が痛くて
どうしようもないくらい息が詰まって
涙が、止まらなかった

先生、先生はずっと綺麗ですね
俺みたいな汚れた奴が触っても、先生はずっと綺麗なままだ

だから、さ 先生
ごめんね


「・・・ごめんなさい、先生」


今目の前に広がる光景は
あなた抜きでは綺麗に映らない

暖かく愛おしい世界は 俺の所為で壊れてしまった

だからもう、さよならだよ、先生


その世界に取り残される
俺の気持ちだけ 生きながらえる


その日、先生は泣いていました

.......end
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No.3 その世界に取り残されるのなら / 小説 / Comment*0 // PageTop▲

2009.02.22  <<17:41


さよならジュリエッタ
綺麗な生き物よ


さ よ な ら ジ ュ リ エ ッ タ


ある晴れた昼下がり、本日はお日柄もよく、何て言葉が良く似合うそんな日。
ねえそういえばあの子どうなったの?、隣で赤い唇が笑う。
それは酷い嘲笑い。知ってる癖に意地悪な。
あああの子ならもう・・、言いたくないのに言わされて、それは当然悲しい事で。
そして赤い唇はそっと笑みを偲ばせて
それはご愁傷様、といったように同じような悲しい顔を作って見せた。

そんなのも、全部自業自得だから何も言わずに黙っている。
そんな事いってんじゃねーよ、って今すぐ怒鳴ってやりたいけど。

おいお前、急に後ろで声がした。
またこんなとこでなにやってんだよ、茶色い瞳が怒っている。
両手を掴まれて引っ張られる。赤い唇が微笑んで、またね、と手を振った。


あんなのに引っ掛かってんじゃねーよバカ、茶色い瞳が怒ってる
ああごめん、ってぽつりと謝って手を引っ張られて。

そこで不意に思い出す、あの白いワンピースを。
そこで不意に泣きたくなる、ああどうして、と。

全くお前はいつもうかうかして、茶色い瞳が怒ってる
繋がれた手を強く握った。
油断をしたら涙が零れてしまいそうで、我慢しようと強く握った。
茶色い瞳が驚いて振り返っては目を丸くする。
・・・なあお前・・泣いてんのか?


白い白いワンピース
白い白いその肌に ただ瞳だけが黒く澄んで ただ唇だけが赤く染まっていて
それはそれは綺麗な世界できっと近付けないと思っていた。
だけどその綺麗な生き物は柔らかくただ純粋に笑い掛けて
あなたの事が好きよ、と欲しい言葉をたくさんくれた。

白い白いワンピース
白い白いその肌は もっと白く固まって その唇も、まるで・・・

それはどこまでも綺麗な世界の綺麗な生き物で
どんなに好きだと笑われても、死に際さえも近付けなかった。

そうだ ただ臆病者なんだ
壊してしまう 壊れてしまう そんな事ばかりを気にしていて
・・それでも一緒に笑った時は ただただ幸せで

それ なのに


おい泣いてんじゃねーよ・・泣くなよバカ、茶色の瞳が怒ってる
だけどその瞳も泣きそうで ただジッとそれは見つめていた
ああごめん、ってまたぽつりと謝って手を離して
そしたら茶色い瞳は急に抱きついてきて
泣くなよばかぁ、と泣き始めた。

それが何故か可笑しくて
泣いてるじゃん、と笑いながら、ああごめん、ってまた泣いた。


さよならジュリエッタ
綺麗な生き物よ

死後も君は綺麗なままで
思い出の中でさえ綺麗なままで

だけれど
さよならジュリエッタ
美しさをもっていても
それでも生きてる者には適わない

さよならジュリエッタ
綺麗な 生き物よ


,,,,,,FIN

+ + +


碧の壁


その距離、わずか3メートル。
それでもその間には、決して越えることの出来ない壁があった。
俺にははっきりとそれが碧のような色だと分かり
その向こうがとても澄んでいて綺麗な世界だと分かり
そしてそこに強く焦がれてその世界へ行きたいと願っていた。

白いワンピースと黒い髪。
それは全く別のものなのに、その両方がとても美しく見えて
月と太陽?光と闇?だけれどそれは他に類を見ない美しさだった。

俺はその壁のこちら側でただ羨ましそうな目つきで立っていて
その綺麗な世界を眺めていた。
この碧がいつ解かれるのか、いつになったら俺もあんなになれるのだろうか
ただそれだけを考えていた。

ある日その世界から、白いワンピースが消え失せた。酷く沈んだ顔の黒い髪。
それでもそれさえも美しくて、

その時、不意に碧の壁が薄くなった。
俺は思いきって一歩踏み出した。
碧の壁の向こうの世界、それは眺めていた頃よりもずっと美しく透き通った世界だった。

何泣いてんだよ、
そう呟く。
だけれどやっぱりそれは悲しい事で。

俺が変わりじゃ駄目か?
震える声で呟く。

だけれどやっぱりそれは・・・


,,,,,FIN
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No.2 さよならジュリエッタ/碧の壁 / 小説 / Comment*0 // PageTop▲

2009.02.19  <<20:29


致します(何

どうも初めまして。魔月霰と申します。

変な名前です。それだけ覚えて帰って頂ければと思います(芸人かよ


これからつらつらとまあ主に腐っていることを書いていきたいと思いますorz

更新スピードは亀よりも遅いと思われます。(亀は意外と早いです(知るか


気長にお待ち下さい・・。

そいでは

プロフィール

魔月 霰

Author:魔月 霰
ヲタクで腐女子、萌えない黒髪眼鏡。
真面目そうな顔してて頭の中は超腐ってます。
一応十代だが年より老けてると言われる。

ブログでは基本的にblの話ばっかりです。
軽く15禁です。苦手な方、御子様は観覧は御遠慮下さい

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