FC2ブログ

アトラクションデイズ

  なんでとか、そんなの関係無い。ただ君が、笑うだけだから。
« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031»

--.--.--  <<--:--


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

No. スポンサーサイト / スポンサー広告 // PageTop▲

2011.03.27  <<17:02



はいー明けてましたねおめでとうございます・・!笑

携帯小説DeBLは割と書いているのですが、あげられそうなものがなかなかなくって・・orz

完結しない・・っていうのも一つの理由なのですがね;

という事で、ようやく終わりそうなのがあったのであげてみます。


++++++++++++++++++++++++++++++++


コハクマガイ


世界が混濁と汚れていた。乱世を弱々と生き抜く生き物達。
溜息を零し、黒い空を見上げる。
それでも僅かな幸せを、必死で握り締めて、やがては潰して。
俺もそんな中の一人だった。
――彼に会うまでは。


彼女は、花のように笑う。いつも俺の名前を呼んで。

「あ・・」

不平不満など一切言わずに、いつでも笑う。
だから俺もそれに甘えていたのかも知れない。
彼女が、寂しい、だの、会いたい、だの言わないから。
遠くに離れていたって大丈夫だと思っていた。
でも自分は会いたくて。寂しくて。
だから、早足で帰ってきた。
早く彼女に会いたくて。
ただいま、と声をあげてドアを開けた。
そこは、暖かくて、そんなハズだった。

「ディアレ・・・?」

声が震えていた。
目を見開いているはずなのに、何も繊細には映さなかった。
赤、赤、赤・・その中に倒れる彼女・・・だったモノ。

「ディアレ・・!ディアレっ!」

慌てて駆け寄った。
だけど床に倒れた彼女は動かなかった。
顔をあげる。あったのは、冷たい赤い目。

「・・お前・・ッ」

こいつが、ディアレを。
悲しさと、憤りに後押しされる。
相手が何者だとか、どうしてだとかも考えられずに
無我夢中で立ち上がって、手を振り上げた。
しかし、相手は溜息のように息を吐くのだった。


彼女はいつも、笑う。
日だまりの中で、笑う。

でも今は、血溜まりの中に浮かんで。


「う・・っ」

宙を一回転した。
ラベは強打した頭を抑えながら床をのたうち回った。
顔をあげると傍らに立つ冷たい赤い目に睨まれる。

「弱ぇ癖に意気がってんじゃねぇよ。今殺されたっておかしく無かった。」

溜息混じりに傍らの男に呟かれた。
ラベは霞む視界でその男の虚ろな瞳を見上げた。

「どうして・・ディアレを・・ッ」

涙が溢れて止まらなかった。怖くて、悲しくて、痛くて。
男は頬の返り血を拭った。

「頼まれたから殺っただけだ・・」

頭に血が昇るのを感じて荒い息をはきながら、
ラベは気力だけで立ち上がった。

「辞めとけ・・死ぬぞ?」

そんな事は解っていた。勝てない事くらい。
だけどラベは相手に手を伸ばすしか無かった。

「うわああああ!!!」

しかし手が相手の顔にたどり着く前に、
ラベは男に足を蹴られその場に倒れた。

「・・うざってぇんだよ」

男は眉間にシワを寄せ、吐き捨てるように言った。
男の真っ白な髪が揺れた。

「恨みたきゃ世界を恨め、あんな何の変哲もなさそうな女も、
殺しを頼まれるような事してんだよ・・」

男は一息に喋ると、ラベの横を抜けてドアを開けた。
ラベは慌てて起き上がる。

「ま・・待て・・ッ!」

男はもちろんラベを無視して、ドアを乱暴に閉めたのだった。


ジュカは細長い煙草を口に、歩いていた。
白い髪は前髪が長く、キレるような赤い瞳のほとんどが隠れていた。
人通りの少ない町の路地裏にコツコツとブーツの音が響き、
それを聞き付けた柄の悪いシャツを着た男が近寄って肩を叩く。

「お断りだ」

溜息と共に手を払いのけて、冷たく呟いた。
そして早足で歩き始める。暫く足音はついて来たが、やがてそれも無くなった。
いや、一つになった。

「・・いい加減諦めたらどうだ」

ジュカは立ち止まり、振り返った。
よたよたと血と泥で汚れたラベがついて来ている。

「嫌だ・・っ」

ラベは半泣きで歩き続け、
ようやく立ち止まっているジュカに辿り着いた。

「・・そんなに俺を殺してぇのか」

苦笑するようにジュカは目を細めたが、目は笑っていない。
ラベは肩で息をしながらジュカを睨む。

「ま・・当たり前か・・。」

ジュカは諦めたように呟き、また歩き始めた。
ラベはまたその後をついていく。
相手を殺したい、そうかもしれない。
だけどラベはもっと強く思う事があったのだ。

「ま・・ってくれ・・ッ!」

ラベは叫んだが、ジュカは立ち止まらない。
力を振り絞って前を行く男に駆け寄り、腕を掴んだ。

「は・・ッ待ってくれ・・っ」

乱れる呼吸の中、必死に言葉を紡いだ。
ジュカは掴まれた腕を振り払い、ラベを睨んだ。
その冷たい赤い瞳は、刺すように怖かったがラベは息を飲んで必死に堪えた。

「ディアレを・・。依頼した奴を教えてくれ・・」

ようやく本題を切り出した。
ジュカは、はッ、と鼻で笑いまた歩きはじめる。

「・・断る。教えたら消されんのは俺だからな。それに今のてめぇじゃ誰も殺せやしねぇ」

ジュカに慌ててついて行きながらラベは、う、と唸った。
最もだ。だけどこのままではいたたまれない。
このままこの蟠りを抱えて、一人で生きていきたくはない。

「じゃあ・・俺を鍛えてくれ・・っ!
馬鹿な考えかもしれないけど・・敵をとらなきゃ・・」

ラベの言葉にジュカは、ああバカだな、と切った。
うぐ、とまた唸るが諦めずについていく。

「なんでそんな面倒な事。
てめぇだってそうじゃねぇのか。俺だって敵だ」

そうだけど。恨むなら世界を、という相手の言葉が頭に響いている。
彼女が、一体何をしたのだろう。
何をしたっていうんだろう。

「頼む・・ッ」

ラベは立ち止まって頭を下げた。
そんな甘えた世界ではないと解っているけど。
他に何も・・。
ジュカはやはり立ち止まらなかった。
でもその後ろ姿を逃すまいと、
ラベは涙目の瞳を真っ直ぐにジュカの背中へと向け、また歩き出した。


「・・っ・・」

煙草をくわえる口の端から赤い血が零れそうになってジュカは裾で拭った。
眉間にシワを寄せて、地面を睨む。
喉の奥が痛いような気がしたが、すぐ銃を握りしめた。

「ジュカさん・・大丈夫ですか・・?」

壁に背を預けていると、隣から声が聞こえた。
ジュカはそちらを見もせずに息を吐いた。

「・・てめぇまだいたのか」

ジュカは壁から僅かに顔を覗かせ、人のいない路地を見た。
まだ今日の的はこない。

「俺、絶対諦めません」

あれから数日が経ったが、ラベは延々ジュカの後をストーカーしていた。
ラベは真面目な顔をしてジュカを見たが、不意に口を塞がれた。

「解ったから静かにしろ」

細い指に口を塞がれ、ラベは黙った。
やがてジュカは両手で銃を握りしめた。
そして壁から飛び出した。
ラベはそれを止める事も出来ず、目を見開く。


ダン、酷い音がなって辺りに血が飛び散った。


「う・・っ」

ラベは血の香りを嗅ぎ、吐き気を覚えその場にうずくまった。

「・・こんなのでへばってんのか」

上から声が聞こえて顔をあげる。
壁の向こうから戻ってきたジュカが頬の返り血を拭い、歩き出した。
当たり前だと言っても良かったのだが、ラベは両手を握り締める。

「へ・・平気ですっ・・!こんくらいッ」

ラベは叫びながら立ち上がり、ジュカの後を追った。
吐き気を感じつつも後を追っていると、ジュカはどこと無くふらふらしている気がした。
勝手にジュカの後を追って暫くになるが、ジュカは時々ふらふらしているような気がする。

「ジュカさ・・」

ラベが手を伸ばした瞬間、ジュカの上体が傾いた。

「っ・・」

ジュカが後ろに倒れてきて、ラベは咄嗟にそれを受け止めた。

「ジュカさん!?」

叫んだ途端、後ろから数人の足音が聞こえ慌ててラベはジュカを抱えて立ち上がった。
先程ジュカが殺害した奴の仲間かもしれないのだ。
乱れた呼吸を繰り返しながらジュカはうっすらと目を開いた。

「ッ・・下ろ・・せ・・っ何の・・真似、だ・・」

息も絶え絶えにジュカは呟く、
しかしラベは無我夢中で走っている為そんな事を聞いて等いなかった。


←and more
No.27 コハクマガイ vol.1 / 携帯 / Comment*0 // PageTop▲

プロフィール

魔月 霰

Author:魔月 霰
ヲタクで腐女子、萌えない黒髪眼鏡。
真面目そうな顔してて頭の中は超腐ってます。
一応十代だが年より老けてると言われる。

ブログでは基本的にblの話ばっかりです。
軽く15禁です。苦手な方、御子様は観覧は御遠慮下さい

カウンター

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

拍手

拍手する

時計

インテリア 雑貨 エコロジー

リンク

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。