アトラクションデイズ

  なんでとか、そんなの関係無い。ただ君が、笑うだけだから。
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2009.03.07  <<22:41




「・・・・・な、に?」

あ、やってしまった、と思った時はもう時既に遅しだった。
俺はいつものように図書室に行って、いつものように真の隣に座った。
図書室は珍しく人が居なくて、静かな空間が流れていた。
読み終わった本を返しに席を立った真に続いて、俺も席を立った。
カルガモ親子のように真の後を歩いて、真が本を返し、また新しい本を取って振り返る。
その瞬間、振り返った真がそれはそれは可愛く映りすぎてしまって
俺は思わず、真を押し倒してしまった。
それが、今の状況ばらばらに飛んでった本、驚きつつも不機嫌な顔の真。

「・・・おい、風斗」

聞いてるのか、と真が言うか言わないか、という瞬間
俺は真の唇に、自分の唇を押し当てていた。
俺何やってんだろう、こんなの駄目なのに、そう思うのに止められない自分がいる。

「・・っ」

真は小さく身じろぎをして、動かなくなった。
多分、生まれて初めてのキス。相手も同じだろうか、
そんなどうでも良い事を考えてる場合じゃないのに。
場合じゃ、ないのに。おかしい。多分俺はおかしい。
俺は真の口の中に自分の舌を侵入させた。すぐに真の舌を捕まえてそれをぎこちなく絡めてみたりした。
もちろんそんなの初めて。上手く出来ているのかとかよく解らない。
でも、それが気持ち悪くないことだけは確かで。

「っ・・ッッ」

真が投げ出された手を俺の肩に持ってきて、そして思いっきり引きはがされる。
俺はいきなりのことで驚いて、目を丸くした。
真は顔を赤らめつつ、浅い息を繰り返しながら

「・・っヘタクソ・・ッ殺す気か・・」

・・と口元から零れる唾液を拭いつつ呟いた。
俺はもう、え、と呟いて数秒思考が停止した。
自分がしたこととか、相手に言われた事とか、ぐちゃぐちゃに混ざって思考が働かなくなったのだろう。

「ご・・・めん」

俺も唾液を拭いながら、床に座り込み謝った。
声色に元気の欠片も無い。なんて馬鹿な事をしてしまったんだろう。
完全に、嫌われた。こんな、いきなり、生徒会長あるまじき行為・・。

「・・良く・・分からん」

暫く二人とも黙り込んで、それを不意に真が打ち破った。
俺はただ顔を上げて、真のその真っ直ぐな瞳を見つめる事しかできなかった。

「お前が何を考えてるのかとか、俺の事どう思ってるのかとか」

真は床に座り込んだまま、ゆっくりと俺に近付いて
俺を見上げるように見つめてきた。

「こんな事考えてる俺も分からない・・」

真は小さな声でそう呟くと、床に散らばった本を拾い集めて立ち上がり
さっさと図書室を出て行ってしまった。
俺は一人ぽつんと図書室に取り残されて、冷たい床に座り込んだまま溜息をついた。

「・・・・・・・・・・どういう意味だ?」

やっぱ、よく解んない。
でも一つだけ確かなこと、それは・・。
真が好きで、溜まらない、とそれだけ。
後は全部不確かなものばかりで・・・・・。


次の日、俺は図書室に行かなかった。
・・というか、行けなかった。多分もう、真には嫌われてるんだろうな、と思ったら行くにも行けなくて。
俺ってこんな弱い人間だっただろうか。
こんなに誰か一人のために、悩んだり出来るほど強かな人間だっただろうか。
あいつに会ってから、多分俺は変わっている。
俺は前よりも、ずっと人前でデフォルメを出せるようになっている。
それからあいつ無しでは、生きられなくなっているのかもしれない。

でも、もう会えない。


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魔月 霰

Author:魔月 霰
ヲタクで腐女子、萌えない黒髪眼鏡。
真面目そうな顔してて頭の中は超腐ってます。
一応十代だが年より老けてると言われる。

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