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アトラクションデイズ

  なんでとか、そんなの関係無い。ただ君が、笑うだけだから。
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2009.06.03  <<10:49



嘘、嘘・・っ!嘘っ・・!?


始まりはあの日。
私の全てが、変わってしまったあの日。


「うそでしょーーーーっ!?!?!?!?!?!?」


悲痛な叫びが、家の中に響いた。


バ ラ バ ラ
――――――
        エ キ ス パ ー ト !
      ――――――――――――



観野紫紅は短く切られた・・正確には短く『なった』髪に、可愛らしいピンク色のピンをとめて
溜息混じりに道を歩いていた。
着ている制服は、学校規定の白いシャツに線の入ったネクタイ。黒のスラックス。
昨日までなら、赤いチェックの短いスカートにネクタイと同じ柄のリボンを胸に掲げているはずだった。
そして街を歩く度に、美少女、とか、可愛い、とか、綺麗、という声が飛んでいたのに。

「・・ウルトラ美少女の私が・・」

呟いて、また溜息を零す。


時は遡ること昨日の夕方。
絶世の美少女、なんていわれている紫紅は高校入学当初から憧れている人がいた。
同じクラスの、秋島胡桃、という少年。
その綺麗な容姿とほんわかしてふわふわした性格から、王子とありがちなあだ名がついている。
そして昨日、紫紅は胡桃に告白したのだ。
スカートの丈はぎりぎりまで詰めて、校則違反にならない程度に化粧もして、綺麗にして。
万が一のために勝負下着まで新調して身につけてきたのに。
相手の返事はNo、だった。それも考える時間もなく、即答、だった。
紫紅はショックだった。絶対にふられることは無いと思っていた。だって、可愛いから。
足取りも覚束ず、紫紅は家に帰った・・。

・・・・・・そこまでは、まあ良かったのだ。
もっといい人居るさ、であきらめがついたのだ。
しかし、問題は今朝の出来事。

美少女といえど紫紅も女の子で、ふられたショックで一晩泣いた。
次の日の朝、紫紅はろくな睡眠もとれずにふらふら起き上がった。
ああ最悪、もう学校休んじゃおうかな、という気分。
でもここで休んだら胡桃君が変な気を遣うかもしれないし、と自分の精神に鞭を打って鏡に向かった。
そこで、驚愕した。
今まで綺麗に手入れしてきた自分の自慢のさらさらロングヘアーが、ショートよりも短い、まるで男の子のような髪型になっていたのだ。
紫紅は失恋したことも忘れて目を丸くして、鏡の中の自分を見つめた。声も、出なかった。
まさか何かの病気かしら、と焦りながらもベッドを見るが髪が抜けてしまった形跡はない。
まるで、最初からそうだったかのように。
そして鏡の中でまた異変に気付く。それは、後ろの壁に掛けてあるはずの制服が、女子用から男子用に替わっていたのだ。
中学の時憧れていた、あのネクタイ、に。
紫紅は立ち上がって、部屋の様子を見てみる。タンスの中、机の上、引き出し。
ともかく服やら下着やら筆箱やら鉛筆やらが、ふりふりぴらぴらのではなく、普通の男の子っぽいのに変わっていた。
紫紅はその場に立ち尽くして、嘘でしょ、と呟いた。
そして、はっ、と気付いて自分の身体を見つめてみる。
自慢だった、Dカップが・・・・・・・ぺっちゃんこ。
ぎゃーー!悲鳴を上げた。その瞬間、ばたんとドアが開いて、妹の紅羅々が血相変えて飛び込んできた。

「お兄ちゃんどうしたのっ!?」

昨日までだったら、お姉ちゃんどうしたの、のはず。
紫紅は昨日と変わらない妹の顔をまじまじと見つめて、ばたんと倒れそうになった。


・・・・そして今に至る。
何とか妹からピンを借りて可愛らしくしたものの、夜中に宇宙人にでもさらわれたのか男になってしまった紫紅は可愛らしさのカケラもない。
唯一救いだったのが、女の時と同じっぽい美形な顔だったというだけだが。
とぼとぼ歩きながら、紫紅はまた溜息をついた。
失恋するとみんなこうなるのかしら、何てのも思ってみたり、みなかったり・・。

「おい・・お前紫紅だろ・・」

いきなり後ろから声をかけられて、紫紅はびくっと身体を強ばらせる。
聞いた事有るような声。紫紅はおそるおそる振り返った。
そこには、見知らぬ男子が立っていた。もしかしたら交友関係まで変わってしまったのだろうか。
顔は女顔・・あれ、どこかで見たことあるような。

「やっぱり・・!私・・いや、俺だよ俺っ!」

興奮したように叫ばれる。そんなオレオレ詐欺みたいなこと言われても、誰だか分からない。
ていうか昨日まで私女でした、男の友達なんてそんなに居ません。
それでも紫紅は、えー、と唸りながらその男子の顔をまじまじと見た。
あれ、やっぱり、見たことある・・。

「もしや・・璃呼ちゃん・・?」

おそるおそる呟く。璃呼ちゃん、とは紫紅の女の子だったときの友達、雪林璃呼の事だ。
世間的に言う腐女子、というやつでいつもノートを持ってイケメン男子を追いかけていた。
紫紅は腐女子やらヲタクやらに偏見はなく、璃呼のその格好良く楽しい性格に惹かれた。

「そうそう、璃呼!」

目の前の男子が微笑んだ。えっ、嘘、と頭の中で繰り返されて紫紅はまた止まった。
もしかしたらこの世の中の人みんな性別が変わってしまったの?、と思った。

「それが朝起きたらいきなり男になっててさぁ、びっくりしたぁ。
私・・いや、俺だけ何で、と思ったら紫紅もだったんだねぇ。何か一緒でヨカッタ」

この世の終わりのような顔をしている紫紅とは対照的に、にこにこ嬉しそうに微笑む璃呼。
何てお気楽な人なんだ、と思った。
自分もどちらかというとポジティブな方だが、いきなり性別が変わってすぐに受け入れられるほど心の広い人じゃない。

「何でこんな事になったんだろう・・私昨日失恋したからかな、とか思ったんだけど・・。」

璃呼とは違い、まだ女の子っぽい口調の紫紅は俯きがちに呟いた。
璃呼は紫紅の横を並んで歩きながらも、うーん、と唸る。

「何か家族の対応も普通だったし、俺等元々男だったんじゃねぇ?なーんつって」

はははー、と笑い飛ばした璃呼は、本当に男の子みたいだった。
前から格好良い性格だなぁ、とは思ってたけど男になると益々男前がアップしている。惚れそうだ。

「あ、つーか紫紅・・失恋しちゃったんだ・・」

急に話を戻して、何かごめん、と真面目な顔で謝られた。
紫紅は何だか急に目線が高くなって、いつもと違うような道を見つめながらも微笑んだ。

「うん・・でももういいんだぁ。今は男になったことの方が問題・・」

そう、紫紅にしてはそのことの方が大問題だった。
今から花の女子高生で、おしゃれや恋愛もたくさんして、幸せな家庭を持って専業主婦で一生を終わらせるつもりだったのに・・。
男になったらその大計画も水の泡だ。女の子と結婚なんて真っ平だった。

「・・・俺はどっちかっていうと美味しいなぁ、と思うんだけどね」

女顔だったし、と腐女子な璃呼の発言を、紫紅が理解するよしもなく。
二人はいつもよりちょっと目線の高い通学路を歩いていったのだった。
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魔月 霰

Author:魔月 霰
ヲタクで腐女子、萌えない黒髪眼鏡。
真面目そうな顔してて頭の中は超腐ってます。
一応十代だが年より老けてると言われる。

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