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アトラクションデイズ

  なんでとか、そんなの関係無い。ただ君が、笑うだけだから。
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2009.02.28  <<22:13



朝が苦手、たまに猟奇的、俺よりも仕事、だけど自分より俺。
甘いのが好きで、照れると顔は真っ赤になるのに素直じゃなくて
だけど溜まらなく綺麗で、溜まらなく可愛くて
そんな、そんな俺の夜。


俺はその夜に恋をする


バサバサと紙をめくる音がする。それから、バタバタと走る音。
ナイトは自分の机に突っ伏したまま寝たふりをして、その音をただ聞いていた。
思うのは、頑張ってんなー、とそんな事で。

「・・・全く・・何で寝てるんですかこの人は・・」

足音が近くで止まって、呆れたような声が溜息と共に頭上から降ってくる。
ナイトは寝たふりをし続けた。
足音は一旦遠ざかってまた戻ってくる。そして、肩に何かが掛かる。
それは多分、毛布か何かだろう。

「風邪でも引いたらどうするんですか・・」

小さな声が聞こえて、ナイトはいてもたってもいられなくなって
勢い良く顔を上げて、後ろに立って居るであろう声の持ち主に、ノーチェ!、と叫びながら抱きついた。

「わッ?!」

ノーチェは驚きの声を上げる。
そしてバランスを崩し、ナイトに倒れかかるような形で抱きしめられる。
暫く何が起こったか分からず呆然としていたが、慌ててナイトから離れて

「・・・った・・何、するんですかっ・・!?」

・・と、顔を赤らめつつも叫んだ。
ナイトは離れてしまったノーチェに、残念そうな顔を向けつつも
抱きついた拍子に落ちた毛布と自分の眼鏡を拾い上げた。

「えー・・だって、ノーチェがあんまり可愛いからぁ~」

ふざけた口調で言うナイトに、ノーチェは照れなのか怒りなのか分からないが
ともかく顔を赤くして、ナイトに一発蹴りをお見舞いし、

「馬鹿な事やってないで働いて下さい!」

そう、大声で叫んだ。
そんなノーチェにも溜まらない愛しさを感じてしまうナイトは、蹴られた部分を押さえながらも
はーい・・、と返事を返したのだった。


その、長くて綺麗な銀色の髪に触れたいだとか、細い肩を抱きしめたいだとか
その声をいつまでも聞いていたいとか、その綺麗な顔をいろんな表情にしてみたいとか
・・そんな風に思い始めたのは、初めてノーチェに会ったあの日からだった。

この世界の統べている偉大な魔王様と拾いお城の中で二人きり。
年も取らなければ何も変わらない、時計の針さえ堂々巡りに感じるその空間。
お互いそんなに顔も合わせずにお互いそれぞれの部屋に籠もりっきり。
書類と苦情に囲まれる日々。
そういえばいつ言葉を発しただろうか、とふと思い立っては一人で叫んで自嘲に満ちて。
・・そんな生活。それは魔王様も変わらなかっただろう。
だけど、そんな生活を変えたのがノーチェだった。
ノーチェはある日突然連れられてきて、その長い銀色の髪を揺らしながら
暗い廊下に灯りを灯し、魔王様の髪をポニーテールにして、部屋の掃除と模様替えをした。
窓を全開にして、庭の花をつんできて、ケーキを焼いて、笑顔を、振りまいて
例えるなら太陽、ノーチェはあっという間に目の前の世界を明るくした。
それから何事に対しても無感情で無表情で無口な魔王様は
気まぐれに家出やら引きこもりやらを繰り返し良くつられて笑うようにもなり
俺はというと落ちすぎというくらいなぐうたらになってしまい
だけれどノーチェは何も変わらず、変わっていることと言えば見る度に愛らしく綺麗になっていくというだけで
ノーチェはもうこの城と世界には必要不可欠な存在になった。
それは誰でもそうなのだけれど。

きらきら輝いてるのはノーチェの方なのに俺の髪を見て、太陽みたい、と微笑んだ。
その時何故か涙が止まらなくて、多分こいつの為なら何でも出来るんだろう、と思った。


「ノーチェっ」

部屋を箒で掃いているノーチェをナイトは後ろから抱きしめる。
ノーチェはいきなりの事で、わ、と小さく声を上げる。

「なん・・ですか?」

びっくりすんじゃねえか、とナイトを見るノーチェの目が言っていた。
普段誰に対しても敬語を使っているノーチェだが、こういう時のノーチェオーラやら目やらは怖い。
まあいつも怖いけど、とナイトは内心苦笑を零す。

「んー?補給中」

ナイトの言葉を軽く無視して、掃除出来ないので離して下さい、と返される。
しかしナイトはそれも無視して、ノーチェから箒を取り上げる。

「ちょっと、なにするんですかっ」

ノーチェの手からナイトの手へと渡った箒は、ナイトの手を離れて床へと落ちていった。
からん、と乾いた音を立てて転がった箒を拾おうと藻掻くが、ナイトに邪魔をされて拾えない。
ノーチェは後ろのナイトを睨んで、離せ、という視線を送る。

「あー・・てかさぁ」

ナイトはくるりとノーチェの身体を回転させて、向かうような形にする。
そしてノーチェをその後ろの壁に押しつける。

「・・・ちょ、ナイト?なに・・?」

ノーチェの顔色が変わる。それは、これはやばい、といったような顔だった。
ナイトは、ごめんな?、と小さく謝ってノーチェのその白い肌に栄える赤い唇に自らの同じモノを押し当てた。

「っ!?」

その急な出来事に、目を丸くするノーチェ。そして何とかそれから逃れようと身じろぎする。
しかしナイトに両手を押さえつけられていてそれは適わない。

「っ・・ッ・・」

息苦しさと気恥ずかしさに頬を染めるノーチェ。
それはもう可愛らしくナイトからは見え、ナイトはノーチェの口を舌で強引に押し開けて
中にそのままその舌を忍び込ませた。

「っ・・?!っ・・んッ」

暴れるノーチェを押さえつけて、ナイトは更に深く深く舌を入れ込み、ノーチェの舌を捕まえては
絡めて、もて遊んだ。
ノーチェは抵抗する力も出ないのか、息をするのが精一杯なのか、身じろぎもしなかった。
ナイトは暫くそれを続けてノーチェの瞳にじわりと涙が滲んできて、
お互いの口の中がぐちゃぐちゃになった頃、ようやく口を離した。

「・・っは・・ッ・・ぁ、・・っ」

無くなった酸素を取りもどすように、ノーチェは口を大きく開けて浅い呼吸を繰り返した。
ナイトはノーチェの口の端から零れている、どちらのともつかない唾液を指で拭い、
ノーチェの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

「ごめんね」

謝りながら、自分の馬鹿さを呪った。
なんでこんな事でしか関係を繋ぎ止めておけないって思ってるのか、
本当に馬鹿だと自分を罵る。
ノーチェは頬を染めたまま、震える指先をナイトの頬に当てた。

「そう・・・、じ・・ッできないじゃ・・ないですか・・っ」

掠れた声で呟いて、ノーチェは恐る恐るナイトの首に両手を回した。
それにナイトが驚き、目を丸くする。

「・・・・不安、なんですか・・?」

耳元、小さな声でノーチェが呟いた。
それは酷く沈んでいて、自信なさげな声だった。

「んー・・ちょっと、ね。まあ俺が馬鹿なだけだから」

ごめんねー、何て冗談っぽく返す。
そんなナイトにノーチェは小さく溜息を付きながら

「ほんっっと、馬鹿ですね」

ノーチェはそう吐き捨てると、さっとナイトから離れて床に転がった箒を拾って
呆然と立っているナイトを振り返って、

「ちゃんと、好きですよ?」

綺麗な、微笑みを零してそう言った。
え、とナイトが声を零した頃にはもうノーチェは部屋を出て行ってしまっていた。
ぱたんと静かに閉められた部屋のドアを暫く見つめた後ナイトは、ははははは、と力無く笑った。

「・・本当だ、俺って超馬鹿」


朝が苦手、たまに猟奇的、俺よりも仕事、だけど自分より俺。
素直じゃないし、いつもツンツン仕様だけど、
いつも俺の欲しい言葉をくれて、あっという間に独りよがりな俺の不安を拭い去って
あっという間に目の前の世界を明るくする。
溜まらなく綺麗で、溜まらなく可愛くて、溜まらなく愛おしい、

そんな、そんな俺の夜は
今日も銀色の髪を揺らしながら、笑顔を振りまくのだった。


.......end
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魔月 霰

Author:魔月 霰
ヲタクで腐女子、萌えない黒髪眼鏡。
真面目そうな顔してて頭の中は超腐ってます。
一応十代だが年より老けてると言われる。

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